◆要注意先の定義 要注意先とは、今後の管理に注意を要する債務者をいいます。 具体的には、3つのパターンに分かれます。 1.財務内容要注意先 1)不渡手形、融通手形および期日決済に懸念のある割引手形のある債務者 債務者の収益および財務内容を勘案のうえ、債務者が不渡手形等を負担(買戻し)する能力があると認められる債務者は正常先と判定されます。 2)貸出金の資金使途に問題がある債務者 赤字・焦付債権等の補填資金、業況不良の会社に対する支援や旧債肩代わり資金等を資金使途とする貸出金があれば要注意先です。 3)財務内容が実質債務超過、赤字、繰越損失等がある債務者 「創業赤字」と「一過性の赤字」の場合は正常先と判定される場合もあります。なお赤字とは経常損失あるいは当期損失が発生している場合です。 4)不良資産のある債務者 受取手形、売掛金に回収不能のものはないか、不良在庫・過剰在庫はないか、仮払金で損金処理すべきものや償却すべきものが計上されていないか、不良貸付金はないか(残高は減少しているか)、未収入金(未収金)や立替金の内容に問題はないか、時価が著しく低下している有価証券、土地、ゴルフ会員権などはないか。これらに該当する資産があれば要注意先になる可能性は大きいです。 5)業況が低調ないし不安定な債務者 前期に比べて売上高が大きく減少していないか。業況の改善の見込みがなければ、要注意先となる可能性は大きいです。 以上が財務内容要注意先と判断される債務者です。中小零細企業や個人事業主では、上記の5つのケースのいずれかに該当し、債務者区分が正常先と判定されないことが多いのが実態です。 2.履行状況要注意先 1)元本の返済もしくは利息支払が延滞(3ヶ月未満)している等、履行状況に問題がある債務者 ⇒ 1ヶ月未満の延滞は正常先と判定される可能性が大きい。ただ延滞先に関しては、延滞の月数だけでなく、その程度(頻繁に延滞発生する等)や財務内容により債務者区分されます。 3.貸出条件要注意先 1)当初返済期日に返済できずに、やむなく最終期日を延長した債務者、および返済負担軽減のため返済条件を緩和した債務者(条件変更先) ⇒ 手形貸付を期日に返済できず、証書貸付に切り替えたり、業況悪化のため毎月の返済額を軽減し、貸出期間を延長した場合が該当します。ただ設備資金で当初の貸出期間を耐用年数より短い期間で借入し、その後、耐用年数の範囲内で貸出期限を延長した場合などは、条件緩和とはなりません。具体的には耐用年数10年の設備を導入し、当初借入期間が7年だったものを、期間を3年延長して10年に条件変更した場合は、耐用年数の範囲内であるため条件変更とはみなされません。 2)業況悪化のために、あるいは支援のために金利の減免・棚上げ、または元本の返済を猶予している債務者 ⇒ ごく稀に優良取引先(債務者)などで、他行との金利競合のためにそれぞれの銀行が定めている「基準金利」を下回る水準まで、当初約定金利を引き下げるケースがあります。この場合も「金利減免債権」とみなされます。 3)利益償還すべき設備資金などを合理的な理由もなく、最終期日に一括返済、もしくは最終回の返済額が多額(最終回しわ寄せ=テールヘビーといいます)の債務者 ⇒ 最終期日に一括返済、もしくは最終回しわ寄せ分を全額返済できる合理的な理由があれば問題ありませんが、このようなケースの場合は貸出期限延長等による条件変更がなされる可能性が極めて高いため、貸出時点で条件緩和債権になります。 4)設備資金の返済期間が耐用年数を越えている債務者 ⇒ 設備資金の返済期間は耐用年数以内でなければなりません。当初貸出時点から耐用年数を上回る場合は、貸出時点で条件緩和債権になります。 5)資金使途から判断して、収益力や財務内容に問題があり、通常の返済期間を越えている債務者 ⇒ 資金使途が運転資金の場合、一般的には返済期間はせいぜい5〜7年以内ですが、これを当初から返済期間10年で借入した場合などは条件緩和債権にあたります。ただ信用保証協会や公的な制度融資などで稀に運転資金でも返済期間が10年以内という種類の融資もありますが、これらについては当然条件緩和債権とはなりません。 下記の無料レポートでは、要注意先についての解説をしていますので、ぜひ参考にしてください。
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