資金繰り実績の分析

ここでも資金繰り表のフォーマット例を参考にしてください。
⇒ 資金繰り表のフォーマット例

■資金繰り予定表の作成に実績分析は不可欠
 資金繰り予定表の作成は、まず実績分析から始まります。
銀行が資金繰り予定表を企業とともに作成する場合でも、まずは資金繰り実績表の提出を依頼します。
何と言っても、この資金繰り実績表の分析が資金繰り予定表作成のベースになるからです。

 具体的には、事前準備を行なった後、以下のようなチェックポイントにそって実績分析を行います。

 分析にあたっては、前項でも説明しましたが、
□総勘定元帳
□現金・預金出納帳
□試算表
□入出金伝票
などから、経常収支(売上収入・手形割引などの経常収入、および仕入・人件費・諸経費などの経常支出)、経常外収支(設備支出、決算支出、増資など)、財務収支(借入金、手形割引の増減など)の3つに分け、資金繰り表に転記することにより資金繰り実績表を作成、分析することになります。

 実績分析のチェックポイントは、次のとおりです。

@売上高はどのように推移しているか。順調に伸びているか。例年のパターンと違った動きをしていないか。

A仕入高の推移は、売上高の推移に見合ったものか。見合っていなければ、その理由は何か。在庫高はどうなっているか。

B売上高と回収、仕入高と支払はそれぞれ金額的にバランスの取れたものになっているか。回収条件、支払条件によって売上・仕入と資金収支との間にタイムラグがあるので、それを念頭において分析する。

C現金売上と掛け売上、現金回収と手形支払のそれぞれの比率や手形サイトに変更はないか。個別の販売先ごとには変更はなくても、取引先別売上構成比が変化することによって、売上債権の回転期間が変化する場合があるので注意する。

D現金仕入と掛け仕入、現金支払と手形支払のそれぞれの比率や手形サイトに変更はないか。個別の仕入先ごとに変更がなくても、取引先別仕入構成比が変化することによって、買入債務の回転期間が変化する場合もあるので注意する。

E人件費、経費、設備支払、税金、配当金等の支出は妥当か。

F経常収支は黒字か、それとも赤字か。黒字であっても、更新的な設備投資、役員賞与、配当金、納税資金などの経常外支出を賄えているか。赤字もしくは過小黒字の場合、その原因は何か。この場合、一般的には粗利過少、売上債権の回収遅延、棚卸資産(在庫高)の増加などの原因が考えられる。

G経常収支が黒字であっても、それは仕入代金支払の繰り延べ等によるものではないか。

H月別の収支尻(経常収支および経常外収支)の推移はどうか。変動が大きい場合、それはどのような理由によるものか。一時的なものか、それとも恒常的なものか。売上債権、棚卸資産、買入債務の残高推移と合わせて検討する。

I借入金、手形割引の残高の推移はどうか。

 以上のように、資金繰り表の実績分析では、損益計算書によって収益状況を、貸借対照表(または月次試算表)によって資産・負債の残高(とくに売上債権、棚卸資産、買入債務、借入金、手形割引の残高)をチェックします。

 さらに、売上債権の回収遅延や棚卸資産の増加傾向があれば、その原因を調べ、資金繰りが改善傾向にあるのか、悪化傾向にあるのか、一時的か恒常的かなどを分析します。

 以上が資金繰り実績表の具体的な分析方法です。



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