資金繰り表作成のための必要書類と事前準備

 資金繰り表は企業にとってはとても重要なものですが、私の経験からもほとんどの中小零細企業では作成されていません。
ですから、借入申込などの際に企業に作成を依頼すると大変なことになります。
何と言っても、ほとんどの中小零細企業は資金繰り表を作成したことがないのですから。

 したがって資金繰り表を入手するのも一筋縄ではいかないわけです。
そこで、銀行では必要な資料の提出をお願いして資金繰りの実態を探り、資金繰り予定表を作成することになります。

 そこで、この「資金繰り表」の項目では、資金繰り表の具体的な作成方法について記載してみます。
資金繰り表のフォームはいろいろありますが、ここでは資金繰り表のフォーマット例を作成していますので参考にしてください。 ⇒ 資金繰り表のフォーマット例

■必要な書類と事前準備
@資金繰り表には「実績」と「予定」の2つがある
 資金繰り表には、「資金繰り実績表」と「資金繰り予定表」の2種類があります。

 資金繰り実績表は、
□総勘定元帳
□現金・預金出納長
□試算表
□入出金伝票
などから現金収支に関する項目を抽出し、これを月別に資金繰り表の資金項目に分類・集計することにより作成します。

 また資金繰り予定表は、
□売上、仕入、生産、経費等の計画
□設備投資計画
□回収・支払条件
などを考え合わせて、月別の入金と支払の予測を行ない、資金繰り表の資金項目に分類・集計して作成します。

 これらのデータは、各企業の内部管理上不可欠なものであり、必ず作成されていなければなりません。
少なくとも、上記の資料がなければ資金繰り表の作成は困難であり、仮に作成したとしても、その正確性には問題があると考えざるを得ません。

A正確性を高めるために事前準備が欠かせない
 次に資金繰り表を作成し、分析するにあたっての事前準備について触れておきます。

 まず主要販売先からの回収条件、主要仕入先への支払条件を調べ、業界全体や自社の資金繰りの特徴をつかみます。
□受注先に商社が多い場合は、一般的に手形の受取りが多い
□労務費の占める割合が大きいと、現金支払が多い
□生産・販売に季節的繁閑がある場合は、資金需要の季節的変動も大きい

 さらに財務諸表との整合性を精査することにより、資金繰り表の信憑性を確認します。
□貸借対照表と資金繰り表の残高が一致する科目(受取手形・支払手形・借入金など)について、貸借対照表上の純増減額と資金繰り表から算出される純増減額を比較します。

 たとえば、受取手形をチェックする場合、以下の式によりA(資金繰り表における増減額)=B(貸借対照表における増減額)となることを確認します。

A=当期手形売上高+当期売掛金手形回収高+当期前受金手形取得高−当期取立手形入金高−当期手形割引高−当期手形裏書譲渡高

B=当期末受取手形残高−前期末受取手形残高

□売上、仕入については、損益計算書、貸借対照表と資金収支の間には以下の関係が成り立つので、これにより整合性をチェックします。

・「資金繰り表」の売上収入=「損益計算書・貸借対照表」の売上高−売上債権(割引手形を除く)増加額

・「資金繰り表」の仕入支出=「損益計算書・貸借対照表」の仕入−買入債務増加額

 たとえば、売上収入をチェックする場合、以下の式により、A(売上収入)=B(売上高−売上債権[割引手形を除く]増加額)となることを確認します。

A=当期現金売上高+当期売掛金回収高(現金)+当期手形入金高+当期手形割引高

B=売上高+当期末売掛金残高+当期末受取手形残高(割引手形を除く)−前期末売掛金残高−前期末受取手形残高(割引手形を除く)

 以上のように財務諸表と資金繰り表をチェックすることにより、資金繰り表の信憑性を高めることができます。



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