銀行にとっての経営改善支援とは、取引先の個々の企業別に、どの企業が改善あるいは成長の余地がある企業かということを見極めることです。 そのために銀行は、財務諸表による定量分析や非財務諸表による定性分析により企業の実態を把握しようと努めます。 もちろん、これらの分析結果が銀行の自己査定や信用格付のランクとなるわけですが、基本的に銀行が経営改善支援の対象とするランクは要注意先(要管理先)と破綻懸念先となります。 これらのランクの企業をランクアップすることにより、銀行も貸倒引当金の減少⇒銀行の自己資本の充実という結果をもたらすからです。(大手銀行では正常先に対する経営改善支援のアドバイスを実施しているところもあります) しかしランクが要注意先(要管理先)や破綻懸念先だからといって、すべての企業が銀行から経営改善支援を受けれるわけではありません。 そこで、ここでは経営改善支援の対象となる企業を、銀行はどのように選別するのかという銀行の判断基準を説明します。 すでに経営改善支援に取り組んでいる銀行の多くは、自己査定による[債務者区分」や「信用格付」、「与信(融資)残高」、「保全(担保)状況」等を検討・分析し、さらに上記の定量分析、定性分析というプロセスを経て、経営改善支援企業を選定しているのが一般的です。 なかには、「対象企業の地域に与える影響」等も判断基準のひとつとせざるを得ない場合もあると思います。 ここで重要になるのは、銀行が支援を検討している企業に改善の余地はあるのか、成長の余地はあるのかという判断基準です。 具体的には、 @経営改善に対する経営者の意欲は十分にあるか A経営改善に向けた取引先等の協力は得られるか B企業の財務内容、とくに収益力の面で改善の可能性はあるか C経営者や家族も含めた資産・負債・収入などをすべて把握しているか D当面の資金繰りや他行の取引状況はどうなっているか E市場競争力やマーケットシェアなど将来性はどうか F貸倒引当金の圧縮などの銀行経営に及ぼすメリット・デメリットはどうか G地域経済への影響はどうか などが判断基準のチェックポイントです。 ただ私の経験から言えば、問題企業に対する経営改善は「実際に支援活動を行なってみないとわからない」、すなわち、「どんなに銀行が検討・分析しても、経営改善の可能性を見極めることができない場合が多い」というのが本音です。 よって、銀行が経営改善支援に取り組む場合は、常に改善の進捗状況をチェックし、臨機応変に弾力的な対応を行なうことが重要と考えます。
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