営業店等による第一次査定部門では、自己査定の結果を踏まえて、債務者区分毎に分類額を集計し、関係書類とともに第二次査定部門(本部等)に報告されます。 第二次査定部門では関係書類及び第一次査定部門へのヒアリング等により、自己査定結果の検証をします。 これにより、債務者区分、分類額、償却・引当額が算定され、この結果が自己資本比率に反映されることになります。 ちょっと専門的でわかりにくいかもしれませんが、これが自己査定のプロセスです。 要は自己査定のプロセスは、結果として自己資本比率を算出するという大変重要な意味を持ち、銀行の経営にも大きな影響を与えるということです。 なお、金融検査マニュアルにおいては債務者区分と信用格付は基本的に整合性がとれていなければなりませんが、国内基準適用金融機関(国内にしか本支店等がない金融機関)については、金融検査マニュアルで信用格付を省略して債務者区分を行っても差し支えないとしています。 よって一部の信用金庫や信用組合では信用格付をまだ導入していない、あるいは信用格付のシステムは稼動しているものの、整合性がまだ十分図られていないというところもあります。 さぁ、ここで銀行にとっても、債務者(あなたの会社)にとっても、大変重要な問題があるのです。 自己査定のプロセスにより、あなたの会社の「債務者区分」が確定します。債務者区分が「正常先」であれば、銀行もあなたの会社も「めでたし、めでたし」で何も問題はないわけですが、もし「要注意先」以下と判定されれば、これは大変なことなのです。 銀行にとっては、融資先の債務者区分が「要注意先」以下にランクされることにより、償却・引当といったロスが発生し、このロスは銀行の生命線ともいえる自己資本比率の低下に直結することになります。(ロスが発生すると言うのは、要注意先以下は貸出金の回収に懸念があるので引当金等を計上しなければならないということです) だから金融庁の金融検査においても、また自己査定においても、支店長や融資担当者は必死で債務者区分がランクダウンするのを阻止しようとします。さっきも言ったように「ランクダウン⇒ロスの発生⇒自己資本比率の低下」ですから本当に必死です。 支店の融資先の中で、あまりにもランクダウンする債務者が多ければ、支店長や融資担当者への人事考課にも影響します。(融資先の管理が悪い…!?(-_-メ)) でも、必死でランクダウンを阻止した債務者に限って、いわゆる「突然死」といわれるケースで破綻する例も多いんですよね。(突然死⇒債務者区分は「正常先」、あるいは軽度の「要注意先」なのに突然「破綻」してしまう債務者のこと) 原因はいろいろ考えられますが、まずは債務者の粉飾決算です。売上高の過剰計上や不良資産の隠蔽、なかには、いわゆる「マチ金」と言われる高利貸しからの借入金を隠蔽している場合もあります。 そして銀行は、それらの粉飾決算に対する財務分析能力不足や定性要因分析の甘さからその粉飾決算を発見できないで「突然死」が発生するケースです。 さらには粉飾決算とまでいかないまでも、不良要素があることを銀行が承知しながら、あからさまに自己査定に反映させられない事情があることも考えられます。 債務者区分がランクダウンすることは、銀行の自己資本比率の低下を招くわけです。ランクダウンする債務者が多ければ自己資本比率が低下し、銀行自体の対外的な信用力も低下することになります。。 だからランクダウンを回避させようと必死になるのです。「それが銀行のためなんだ」と考えていた時もありましたが、それは間違っていますね。 そんなことをしていたのでは自己査定の意味がありませんし、銀行のためにもなりません。自分で自分の首を絞めているようなものです。 話が少し脱線しましたが、あなたの会社の債務者区分が「要注意先」以下であったならば、「大変な問題ですよ」ということを言いたかったのです。 債務者区分が「要注意先」以下となれば、その後の融資条件はかなり厳しくなります。手形貸付や当座貸越などの融資枠の廃止、貸出金利の引き上げ、新規融資の制限、さらには債務者区分が「破綻懸念先」以下だと、基本的には新規融資が望めないだけではなく、融資金の全額返済まで迫られかねません。すなわち、取引の継続自体が危ぶまれるのです。 だから債務者区分の判定に関しては、銀行だけでなくあなたの会社も無関心ではいられないのです。 あなたはあなたの会社の債務者区分を知らなければならないのです。 債務者区分の判定が銀行にとっても、あなたの会社にとっても、いかに重要かがわかっていただけましたか?
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