自己査定は原則として信用格付を行ったうえで各債務者を、正常先から破綻先まで5段階に区分し、担保や保証等による調整を行ったうえで債権分類区分・分類額を確定させるプロセスです。 具体的には、一定の抽出基準(これもあとから説明しますが、重要です!)により、自己査定の対象となる債務者ごとに関係書類の作成、必要な情報の収集といった準備作業を行います。こうして準備した資料に基づいて、第一次査定部門である営業店等が自己査定を実施します。 一定の抽出基準により抽出された債務者については、債務者ごとに下記のような関係書類が作成されます。 なお、債権残高が一定額未満の債務者や住宅ローンなどの消費者ローンのみの債務者については、延滞状況等による簡易な基準により債務者区分が行なわれます。 ○作成される関係書類 @ 債権調査票 銀行内部ではラインシートと呼ばれています。債務者 名や業種のほかに、前回査定と今回査定の債務者区分や信用格付、貸出債権の内容や保証人情報、預金・貸出金の残高推移情報、さらに過去3期分(2期分)の資産負債調(貸借対照表と損益計算書)などが記載されます。 A ワークシート 原則的には、債務者区分が正常先以外の債務者について作成されます。 ワークシートには、担保や保証などの銀行の貸出債権に対する保全状況が記載されています。これにより分類債権区分と分類金額を算出します。 B 債務者概況表 債務者の状況を記載したもので、債務者区分の判定理由、業種や具体的な事業内容と現在の業況、金融機関ごとの融資取引状況、経営改善の進捗状況と今後の業況の見通しなどが記載されます。 C 疎明資料 自己査定では、債務者の業況や資産背景等を説明するために「疎明資 料」を添付しなければなりません。 この疎明資料は次のような内容を証明するために添付します。 ・ 貸出金の資金使途に関する内容(見積書、領収書などの写し) ・ 財務状況、資金繰り、収益力等の返済能力を判断するための内容(決算書、資金繰り表、キャッシュフロー計算書など) ・ 技術力、販売力、経営者の資質といった定性面に関する内容(ISO等の資格取得など) ・ 担保、保証等の保全面に関する内容(不動産担保評価書、信用保証協会の保証書など) 以上の関係書類のほかに割引手形がある融資先には「割引手形明細表」、不動産担保のある融資先には「不動産担保明細表」などを添付しなければならず、一債務者に対する関係書類の作成はかなり大変です。これを抽出した債務者すべてに作成するわけですから、とてもたいへんな作業となります。 少し長くなりましたので、続きは「自己査定のプロセスA」に続きます。
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